授業風景を見学![短大生密着レポ]
患者さんにとって身近な存在に!
現場で役立つことを授業で学ぶ。
歯科医師/歯科衛生士の学びの現場をお伝えする密着レポートの第2回。今回は、歯科衛生士になるための勉強をしている、日本歯科大学新潟短期大学歯科衛生学科3年生の古澤歩さんの登場です。授業中にお邪魔して、今学んでいることの内容や、国家試験に向けての取り組み、学生生活のことなど、いろいろとお話を聞いてきました。
今日の授業は「歯科予防処置」。フッ素の扱い方を学び、使用量の計算をしました。
――古澤さんが今日受けたのはどんな授業でしたか?
古澤さん(以下F):鴨田先生の「歯科予防処置」という授業で、今日はフッ素の計算をしたり、フッ素を使うときに気をつけることについて学びました。
――フッ素の計算というと?
F:歯を強くしてむし歯にならないようにするために、歯に「フッ素」というのを塗るんですけど、体重によって使用できるフッ素の量が異なってくるので、それを求める計算の練習をしていました。間違えると急性中毒を引き起こすこともあるので、しっかり決められた量にしないといけないんです。
――計算はしっかりできましたか?
F:はい、授業の内容も理解できましたし、計算も正しくできました。でも計算はどちらかというと苦手な方です(笑)
――新潟短期大学の授業は、ひとつの講義はどのくらいの長さなのでしょうか。やはり専門的なことをたくさん学ぶのですか?
F:普段は80分授業です。「矯正」や「補綴(ほてつ)」などの授業は確かにとても専門的ですが、それだけではなくて、例えば「生物」や今日のフッ素の計算の授業などは、中学校や高校のときの授業の内容とかぶることもあります。
――これまでに受けた中で、古澤さんが好きな授業、興味深かった授業があれば教えてください。
F:「矯正」と「保健指導」ですね。「矯正」はもともと苦手だったんですけど、勉強しているうちにいろいろわかってきて、今はとても楽しいです。「保健指導」は、患者さんとお話をして患者さんに合った歯みがきの仕方を教えるための勉強で、実際の仕事をするときにすごく役立ちそうです。
――古澤さんが歯科衛生士を目指すことにした理由は、何かあるのでしょうか。
F:私のおじいちゃんは入れ歯を使っているんですけど、ものを食べるのに困っているのをずっと見てきて、「私にできることは何だろう?」って思っていたときに、歯科衛生士という職業が見つかったんです。歯科衛生士は患者さんとの距離が近いし、実際に歯みがきの仕方とかを教えることができるので、その仕事につけたらいいなと思いました。
――進路を選んだとき、おじいちゃんは喜んでくれましたか?
F:はい、喜んでくれました。
――歯科衛生士になるために、この学校(日本歯科大学新潟短期大学)を選んだのはどうしてですか?
F:この学校は歯学部もあって、附属の病院もあるので、それが心強いと思いました。「病院実習」という実際に診察の現場で実習を受けるカリキュラムがあるんですけど、他の学校だと、学外のいろいろな診療所に通わないといけないんです。でもこの学校は病院があってそのいろんな科をローテーションできるので、遠いところから通っている私にとってはとても合っていると思いました。
――なるほど。実際に入学してみて、どうでしたか?
F:先生がすごく優しくて、授業もわかりやすいです。今はコロナ禍で学生同士の対面のイベントはできないんですけど、私が1年生のときには「学生交流会」というイベントがあって、ちょっと緊張したんですけどそれに参加したらすごく楽しかったんですよ。1年生から3年生までと専攻科生を含めた短大の学生全員でお話をしたりレクリエーションをしたりするんですけど、そのお陰ですぐに学校全体で仲良くなれました。
――机に向かって講義を受けるだけじゃなくて、実習の授業もありますよね。
F:実習は入学してからすぐにはじまります。最初はユニット(診療台)の使い方からはじまり、フッ素を塗る練習や「歯面研磨」という歯のクリーニングの練習をしたりします。病院実習は2年生の10月から3年生の9月まで約1年間やりました。
――実習は楽しんで取り組めましたか?
F:そうですね。病院実習は最初の頃はまだ何もわからなくて、自分のことに必死で患者さんと楽しくおしゃべりしたりできなかったんですけど、慣れていくにつれて患者さんそれぞれに合わせてお話できるようになりましたね。だんだん余裕がでてきたと思います。実技テストのとき、現場の歯科衛生士さんに「よく頑張ったね」って言われたり、「器具の受け渡しが上手だね」とか言われるとやっぱり嬉しいです。
――友達同士でアドバイスしあったりもするんですか?
F:しますね。「この先生はこの器具を使うよ」とか「この術式のときはこのやり方でやるんだよ」とか、現場の情報を共有しています。同期の中には、患者さんとお話するのが上手な人や、先生のアシストが上手な人などがたくさんいて刺激を受けています。
――じゃあ、短大生活の3年間は楽しく学べたみたいですね。
F:楽しかったです。この学校に入っていちばんよかったことは、先生がみんな優しくて、些細な悩みでも親身になって聞いてくれることです。それは本当にありがたかったです。
――もうすぐ国家試験(3月)ですね。その前には卒業試験もあります。手応えはどうですか?
F:いや、まだたくさん勉強しないといけないなと思います……。過去問をやったり、間違えたところを教科書で調べたり、それを繰り返しやっています。
――古澤さんならではの勉強の息抜きは何かありますか?
F:私は最近、「辛ラーメン」にハマっているので、自分好みに辛さを調節したりアレンジしたりして、それを食べています(笑)
――将来、どんな歯科衛生士になりたいですか?
F:歯科衛生士って、歯科医師の先生よりも患者さんと親密になれる仕事だと思うんです。近い距離で「古澤さんになら、いろんなことを話しやすい」と感じてもらえるような、患者さんにとって身近な歯科衛生士になりたいと思います。あとは、私はがんなど病気を持った患者さんの口腔ケアに興味を持っているので、できれば大きな病院で働けたらいいなと思っています。
――卒業試験と国家試験、頑張ってください。今日はありがとうございました。