歯科衛生士/富岡 野乃花さん
憧れの歯科衛生士さんを目指して、
今日も笑顔で患者さんを出迎える。
歯科を知る LECTURE
誕生
「食べる」という行為は、人がオギャーと生まれてから半年〜1年くらいにスタートします。赤ちゃんは、食べ方や食べるペースがメチャクチャです。口のまわりが汚れたって気にしない。でもそうやって少しずつ確実に「食べるチカラ」を獲得していきます。小さいときに正しい食べ方、正しい口の使い方を身につけることで、大きくなってから美味しく食事を楽しめるのです。
成長
食べる行為を覚えると、次に人は言葉で意志を伝えられるようになります。話をしたり笑ったりしているときに口をフルに活用するのはもちろん、喜怒哀楽を相手に伝えたり、お互いの理解を深めたりするために、歯は重要な役割を担っています。友達とおしゃべりしながら食事を楽しむのって最高ですよね。それ、実は歯がないとできないんですよ。
習慣
子どものとき「ちゃんと歯みがきしなさい!」と怒られたこと、みんな経験ありますよね? 食べ物の食べかすや細菌がつきやすい歯は、子どもも大人も毎日のお手入れが欠かせません。
老化
毎日歯みがきをしていても、歳をとっておじさんおばさんになってくると、歩くのが遅くなったりちょっと運動しただけで疲れるのと同じように、口の機能も衰えていきます。実は口を動かしているのは筋肉で、身体の他の筋肉と同じように自然と口の筋肉も衰えていくものなんです。すると硬いものが上手に噛めないとか、滑舌が悪くなるとか、いろんな悪影響が生じます。放っておくと病気にかかりやすくなるので注意が必要です。
病気
「要介護」という言葉を知っていますか? それは、移動や食事が自分ひとりでできなくなることです。その原因は「認知症」や「脳梗塞・脳出血」という病気が多く、この2つの病気に共通するのは、食べ物を認識する能力や、食べ物を噛みくだいて飲み込むという機能が弱くなること。こういった機能が低下すると栄養が不足して、身体はどんどん弱ってしまいます。そのため口の中を自分で清潔に保てず、細菌も増えて、肺炎などの病気にもかかりやすくなってしまいます。
子どもから大人、そして高齢者まで、みんなの歯と口の健康を支えているのが「歯科」という仕事です。ただ歯を治療することだけが目的ではありません。世の中みんなの「食べる」「生きる」を守る、とってもやり甲斐のある職業なのです。