ARTICLE NUM:003

歯科衛生士/松澤 莉子さん

私は小さいときから
歯医者さんに行くのが好きでした。

DR+DH+DT WORK STYLE|2021.04.26

——一般的なクリニックで勤務する歯科衛生士さんは、普段はどんなお仕事をされているのですか?

松澤さん(以下M):歯科医師の先生のアシスタントだったり、患者さんの定期検診や歯のメンテナンス、歯石除去、ブラッシング指導、あとは治療に使用する器具の滅菌とかですね。

——好きな仕事、得意な仕事はありますか?

M:私は子どもが好きなので、小児の患者さんとのコミュニケーションが一番好きだったりしますね。

——人と接するのは得意な方ですか。

M:実はけっこう人見知りなんですけどね。コミュニケーションがしっかりとれた方が診療のときにやりやすいので、うちはけっこう患者さんとしゃべる方だと思います。無駄話もけっこうしていますね。

——職場の雰囲気もとてもよさそうですね。

M:そうですね。うちは歯科衛生士が7名在籍していて、歯科医師が常勤で2名、非常勤で1名、歯科技工士さん1名、受付兼助手さん4名とけっこう人数が多くて。お昼ごはんとか、先生も一緒にみんなで食べたりして笑い声がたえない楽しい環境で働かせてもらっています。歯科医院に緊張していらっしゃる患者さんって多いと思うんですけど、うちは雰囲気がすごくよくて、入りやすいと思います。

——駅前という立地ですが、患者さんはどんな方が多いですか?

M:やっぱりサラリーマンの方が多いですね。お昼休みにいらしたりするので、急いでいる方もけっこういます。あとうちの先生は入れ歯が得意なので、高齢者の方もたくさん来られますよ。

——急いでいるサラリーマンの方と高齢者の方で、接し方は変わるのでしょうか。

M:そうですね、違いますね。高齢者の方にはゆっくりと分かりやすくお話ししますし、急いでいる方の場合はできるだけ無駄を少なく、素早くお仕事をするように心がけています。

——患者さんから声をかけてもらって嬉しかったことは?

M:「またよろしくね」とか、歯石取りやクリーニングの後に「あー、気持ちよかったー」とか言われると嬉しいですね、やっぱり。駅前なので「さっぱりしたー、これで今日はいい飲み会になるわー」とか言ってくれる会社員の患者さんもいて。そういうのって嬉しいですよね。

——訪問診療も行かれるんですか?

M:先生に同行して施設や患者さんのご自宅に伺うこともあります。

——歯科の仕事は気に入っていますか?

M:はい。私は小さいときから歯医者さんに行くのが好きだったんです。優しい先生やスタッフさんに会いに行っていたみたいな感じで。だから歯科の仕事を選ぶことに抵抗はまったくなかったですね。

「左利きなので、最初は道具をうまく使えずに戸惑いました」

——毎日のお仕事の流れを教えてください。

M:朝出勤したらまず洗濯機を回して前日の汚れものを洗ったり、器具の滅菌をしたり、お掃除をしたり。うちは若い子が掃除をするとか決まっているわけではなくて、みんなでやるって感じですね。その後は、滅菌上がったセットを組んだりとかですね。午前は9時半から診療開始で、13時から15時までお昼休憩になります。午後は15時から仕事をして、早番だったら19時で上がりますし、遅番だったらもう少し居残りして、お片付けしてから帰宅って感じです。

——4年目ということですが、仕事にはすっかり慣れましたか? 以前と比べて成長を感じることはありますか?

M:歯科の機械って、右利き用にできているのがほとんどなんです。だけど私、左利きなんですよ。学生のときの実習では左手を使ってやっていたことが、就職してからは右手でやらないといけなくなって……。最初は「できないんじゃないか……」って絶望しかけたんですけど、毎日やっているとちゃんと右手も使えるようになるし、今は基本的に全部右でやっています。

——基本的に立ち仕事が多いですよね。身体のケアのためにやっていることとか、ありますか?

M:最近、私の後輩が「フラフープめっちゃ良いですよ」って教えてくれて。腰痛予防とかにいいみたいなんです。それで今は、他の衛生士さんとか助手さんの間でフラフープが流行っています。テレビとか見ながら家でめっちゃ回しています(笑)

——お休みの日はどんな過ごし方をしていますか?

M:お買い物に行ったり、気が向いたらお菓子作りとか料理をしたり、映画を見たりって感じですかね。私にとってのリフレッシュは買い物ですね。買い物するとスッキリします(笑)

「歯科衛生士になると決めたのは、高校3年生のぎりぎりのタイミング」

——歯科衛生士になろうと決めたのはいつですか?

M:高校3年のときなんですけど、本当にぎりぎりで。知り合いに歯科衛生士の学校に行っている人がいて、ちょっと話を聞く機会があって医療職に興味がわいて、歯科衛生士もいいかなって思って。

——短大時代の思い出を教えて下さい。

M:すごく楽しかったです。病院実習が最初はいやだったんですけど、だんだん楽しくなって。

——最初いやだったのはなぜ?

M:ちょっとこわい先生につくときとか、衛生士さんに怒られたりするのがいやだったんです。でも実はみんな意外とやさしくて。病院実習を一緒に乗り越えた仲間とは、そこですごく仲良くなれました。同期の友達とは今もつながっています。

——就職先は皆さん別々だと思いますけど、仕事の愚痴をこぼしあったり、話を聞いてもらったりとか、そういうのありますか?

M:めっちゃあります(笑)

——ところで、国家試験の勉強は大変でしたか?

M:こんなこと言うとあれなんですけど、全然苦労しなかったです(笑)。あまり記憶にないくらいで……。国家試験より学校のテストの方が難しかったですね。

「患者さんのお口の中をきれいにすると、スッキリしますよ」

——これから先、こういう歯科衛生士になりたいという理想像はありますか?

M:一緒にお仕事をしているチーフの衛生士さんがめちゃくちゃ素晴らしいんですよ。処置のスキルも高いし、アシスト力もすごいし、患者さんとのコミュニケーション能力も高くて、スタッフへの教え方も上手いっていう。真面目なだけじゃなくてちょっと会話しながらふざけてくれたりもして。彼女みたいになりたいといつも思っています。私にとっては高い高い目標です。

——あとどのくらいで追いつきそうですか?

M:まだまだ全然です。10年単位でもっともっと頑張らないと。人間性の面でも成長しないといけないと思っています。

—— 歯科の仕事って、人の身体に触れる仕事ですよね。女性の中には血を見たくないとか、人の口の中は汚いんじゃないかと敬遠する子もいると思うんですけど……。

M:それはちゃんと慣れますね。むしろ汚い方が気持ちが燃えるようになると思うんで(笑)

——そうなんですね(笑)。歯科衛生士の仕事ってきれい好きの人に向いているかもしれないですね。

M:あ、向いていると思います! きれいにするとスッキリしますよ。「とことんきれいにしてやろう」って気持ちになります。あと、人と接することが好きな人にも向いていますね。医療職っていうと堅苦しいようなイメージを持つ人もいますけど、意外とそんなことなくて。楽しくお仕事させてもらっています。

——本日はありがとうございました。

DR+DH+DT WORK STYLE

りんご歯科医院

松澤 莉子(Riko MATSUZAWA)

日本歯科大学新潟短期大学歯科衛生学科卒業。平成30年より「りんご歯科医院」にて勤務。不安を持つ患者さんにリラックスしてもらえるような環境作りを心がけている。

インタビュー収録:2021年1月