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歯科医師/中島 大さん

できるだけ壁を作らず、
町の皆さんと末永いお付き合いを。

DR+DH+DT WORK STYLE|2021.04.26

——2019年に「なかじま歯科医院」を開院されました。どんな理由で場所を決めたのでしょうか。

中島先生(以下N):ファミリー向けの住宅地で、目の前にスーパーがあるんですよ。若い方がたくさん住んでいるエリアでもあるので、ここに決めました。僕自身、医院の向かいのスーパーに買い物に行くんですけど、患者さんに声をかけられたりしますね。

——ロゴマークやホームページを拝見して、「親しみやすい歯医者さん」を目指しているという印象を受けました。

N:そうですね、若い方にも受け入れられやすい、入りやすいクリニックを意識しました。患者さんは幅広い年齢層の方が来られます。若いご夫婦も多いので、お子さんもたくさん来ています。皆さん、ほぼこの地域の方ですね。歯科医院というと、あまり積極的には入りたくない、そんなイメージがあるかもしれませんが、できるだけ壁を作らず、町の皆さんと末永いお付き合いができればと考えています。

——患者さんへの接し方やコミュニケーションで特に気をつけていることはありますか?

N:やはり歯の痛みを抱えて来られるので、感情的な部分での配慮が大切だと思います。まず患者さんの言葉をきちんと聞くこと。それから痛みをできるだけ抑える処置をする。事前に、症状についてきちんと説明して、納得していただいてから治療をするよう心がけています。

——痛みを理解してもらう、痛みが和らぐ、それだけで患者さんはだいぶ楽になると思います。

N:痛みって、実は使用する器具でも差が出るんですよ。だから器具は痛みを極力抑えるようなものを使っています。あと表面麻酔をしっかりすることも大事です。

「大学時代はたくさんの人と出会えて楽しかったですね」

——中島先生が歯科医師になると決めたのは、ご家族の影響ですか?

N:父、兄、祖父、叔母……、家族がみんな歯科の仕事をしているんですよ。実家では、父が歯科医師で診療所をやっていて、母がその受付にいて。そういう環境でこの世界しか知らずに育ったので、自分も自然と同じ道を歩むのだろうと、子どもときから思っていましたね。

——大学時代はいかがでしたか?

N:北海道から沖縄まで、大学にはいろんなところから来る学生がいたので、たくさんの人と出会えて楽しかったですね。いちばん楽しかったのは部活かな。サッカーをやっていたんです。先輩後輩で今でもよく飲みに行ったりして。そのつながりは財産ですね。

——歯科の学びをする中で、つらい時期のようなものも経験されましたか?

N:卒業して大学院に進んで、そこから京都にある別の大学の研究所に出向したんですけど、外国の方が多くて英語の会話が飛び交うようなところだったので、慣れるまでが大変でした。でも今振り返ると、行ってよかったなと思いますね。

——お父様の診療所で働くという選択肢は?

N:僕、次男なんですよ。兄が実家に帰って診療所で父と一緒に働いているので、自分もそこに行くのは現実的ではないな、と。だから自由にやらせてもらっています。

——次男でよかったと思ったりしますか?

N:それはありますね(笑)

「歯を抜かない治療を大事にしています」

——院長という立場になると、クリニックの中の雰囲気づくりも大切かと思います。

N:スタッフとは積極的に話をするように心がけていますね。大切なスタッフなので、できるだけ要望はかなえるようにしています。

——治療のモットーのようなものはありますか?

N:大学を卒業してから、歯周病の大学院に進んで、歯周病の専門医の下で働いていたので、歯周病治療をメインでやっているんですけど、できるだけ歯を抜かない治療を大事にしています。

——専門に歯周病を選んだのは、何か理由があるのでしょうか。

N:研修医時代に患者さんを診察して、どんな治療をするにも歯周病をしっかり治しておかないと、被せものをするにもきれいなものが入らないし、むし歯の治療もきれいにできないんです。やっぱり治療のいちばんのベースになるのが歯周病かなと思ったので、それで選びましたね。

「できるだけ患者さんにとって負担の少ないかたちで、歯を永く保たせる」

——歯周病は日頃のメンテナンスが大事だと聞いたことがあります。

N:将来的には、僕はメンテナンスの患者さんをメインに、予防歯科に力を入れていきたいと思っているんです。僕の場合、性格的に派手なことができないというか、インプラントの手術をばんばんやったりもできないんで。「できるだけ患者さんにとって負担の少ないかたちで歯を永く保たせる」ということをテーマに考えています。そうなるとやっぱり、歯周病の治療をしっかりやらないといけないですね。

——地域にお住まいの患者さんが歯の痛みを訴えてやってきて、痛みが消えて、歯もきれいになって、笑顔になってくれると嬉しいですよね。

N:患者さんから「ありがとう」って感謝されるのはやっぱり嬉しいですよ。治療をすれば目に見えて状態が改善しますし、見た目もきれいになるので、そういう意味では歯科医師という仕事はとてもやり甲斐がありますよね。「痛い!」と言って医院に来られて、次に来られたときに「もう痛くない」って言われると、やってよかったって思います。

「休みの日はちゃんと休んだ方がリフレッシュになります」

——お休みの日はどんな過ごし方をされていますか?

N:医院で使用する備品の買い出しに出かけたり、家で娘の相手をしたり、ごろごろ休んだりしています。休みの日はちゃんと休んだ方がリフレッシュになりますね。だから極力、家では仕事をしないようにしています。

——奥さまが受付をされているということですが、家でも職場でも一緒にいることは問題ないですか?

N:前の職場から一緒だったんです。だから気になることはないですね。

——新型コロナの影響のようなものはありましたか?

N:そんなになかったですよ。売上が極端に下がったということもないですし。医院内では感染対策もしっかりとっていますので、患者さんもいつも通りに、安心して来られていると思います。

——これから進路を見つける高校生にひとことお願いします。

N:まずは自分のやりたいこと見つけてほしいと思います。それに集中して頑張ると、どんどん進路の幅が広がっていくんじゃないかと思いますよ。

——本日はありがとうございました。

DR+DH+DT WORK STYLE

なかじま歯科医院

中島 大(Dai Nakajima)

日本歯科大学新潟生命歯学部卒業後、同大学大学院にて歯周病学を専攻、大学院時は京都大学工学部に出向し、生体材料の研究を行う。大学院修了後、歯周病専門医の下、歯科治療に従事。2019年に「なかじま歯科医院」を開院。日本歯周病学会所属。

インタビュー収録:2021年1月